Twitterが大衆のメディアになった功罪
- はじめに
- 世界のSNS利用率から見る日本人の精神性とTwitter
- Twitterは前衛的なメディアから大衆のメディアになった
- Twitterは新たな刺激の場ではなくなりつつある
- 将来的に閉じた場所で面白いことが起こり、Twitterは拡散だけになる。
- まとめ
はじめに
突然ですが皆さん、Twitter使ってますか?
私は当然使ってますし、当ブログのTwitterのアカウントはブログ専用に別途取得しブログ更新と同時に投稿されるように設定しています。Twitterからこのブログにたどり着いて頂いた方もいらっしゃるかと思います。ありがとうございます。
ですが、最近は自分の中で「Twitterを自分の個人的な情報発信や交流の場として位置付けることはやめました。」Twitterは私にとって広告や拡散用のメディアであり、私のプライベートな気持ちを吐露する場所ではもはや無くなったと思います。
なぜそのような考えに至ったのかを今回は自分の頭を整理する意味でもまとめてみようと思います。
世界のSNS利用率から見る日本人の精神性とTwitter
昔から言われていることですが、日本人のTwitter好きは結構特殊です。データでみるとわかりますが、TwitterをメインのSNSとして使っている人の比率は日本人がダントツで高いです。
LINEはどっちかというとSNSというよりは他者との連絡手段、通信インフラとして捉えるべき(LINEで投稿とかします?私はやったことないです。)で、LINEを除けばTwitterがダントツの1位です。他の国では圧倒的な強さを見せるFacebookを大きく引き離してます。
このデータだとTwitter側の最新の数が分かりませんが、私達ユーザーの肌感としても40代より上の世代はFacebook、メインの20~30代の層はTwitterという緩い住み分けが出来ているような印象を受けます。
身近にTwitterを鍵垢、公開垢、趣味垢、親しい友人用垢の4つで使い分け、毎日それぞれのアカウントで活動する若い子を何人も知っていますが、恐らくそんな使い方をしてるのは日本の若い子くらいでしょう。
日本人は基本的に恥と足の引っ張り合いの文化だと思っているので、自分の本音は匿名性と秘密主義で担保しつつ、でも外への繋がりも切りたくないという欲張りセットが実現可能なのもTwitterが日本人に刺さった理由な気がします。Facebookは本人確認があるので逃げられませんしね。
果たしてこれがTwitter側が本来意図した使い方だったかは疑問が残るところですが、日本人がうまくTwitterを使いこなして自分たちの精神性と融和させたことが、日本人のTwitter普及率の増加につながったのでは?というのが私の意見です。
Twitterは前衛的なメディアから大衆のメディアになった
少し昔話になりますが、Twitterが世に出始めた当時は150文字で何を表現したらいいのか戸惑ったユーザーが多かったと記憶しています。「150文字で何を呟けばいいの?」「私の呟きなんて誰が見るの?」という疑問であふれすぐには流行りませんでした。
しかし頭の良い人や面白い人というのが世の中にはいるもので、
- リアルタイムのTV番組、選挙、会見、LiveなどをTwitterで共有し合う
- 150文字でいかに面白いことを言えるかを競い合うTwitter大喜利
- 災害時にどのマスメディアより早く情報を拡散する
- ひたすら特定の人物(キャラ)が呟きそうなことを呟き続けるBOT
・・・などなど画期的な使い方をするユーザーが次々と現れるようになり、一気にユーザーを増やしていきました。天空の城ラピュタが放送されると必ずTwitterでバルス祭りが開催されるなどもはや文化として根付いた感すらあります。
企業側もこれに乗っかっているのが本当に面白いですよね。こうして少しづつ市民権を得てTwitterは一部の人しか知らない前衛的なメディアから、誰でも1度は使ったことのある大衆のメディアに変化していきました。
Twitterは新たな刺激の場ではなくなりつつある
しかし、こうして大衆が押し寄せると面白人間だけではない、困った人達も呼び寄せてしまうようになります。「Twitter 炎上」とか「Twitter 炎上 まとめ」で検索するとたくさん出てきますが、参考になりそうなものは概ね不快な印象を与えそうな内容が含まれていたので、ここでは引用はしません。検索する際は自己責任でどうぞ。
またこうした大きな事件や炎上騒ぎにならないものであっても
- 自作の絵・作品・音楽をTwitterで投稿したら誹謗中傷にあった
- 感想をつぶやいただけなのに、特定の人物からやり玉にあげられた
- Twitter上でストーカー行為に近い被害にあった
- ファンや囲いと呼ばれる集団に目を付けられて創作活動を妨害された
・・・などなど、Twitter上ではユーザー間の醜い争いや諍いの話題に事欠きません。芸能人のスキャンダルのニュースが出るたびにファン同士が言い争うのはもはや日常茶飯事で、見るに堪えないやりとりが行われていることもしばしばです。
人間は数が増えると必ず一定数、一見すると頭のおかしな人達が紛れ込むようになります。これは分母が上がると必ず起こってしまうので防ぎようがありません。
一応念のためフォローしておくと、頭がおかしいように見える人は文脈のどこかで意味をはき違えていたり、間違った情報で判断してるだけのケースがほとんどなのですが、中には本当に意味不明な基〇外もいるので注意が必要です。
繰り返しになりますがこれは防ぎようのない人間の性質です。100%防ぐ手段はないし、彼らの相手をするのは時間と労力の無駄です。どんなにまともな思考を持った人が理路整然と説明をしても通じない人には通じないのです。
以前のポストでも書いた通り、我々人間は感情に突き動かされて行動する生き物です。彼らの感情は彼らにしか分からないモノであり、感情で動く人間は本人の前頭前野が機能しない限り抑制されることはないのです。
もはや魑魅魍魎が溢れかえっている場所なんだと思えば、我々はうかつな投稿は出来ない。鍵をかけたり特定の信用できる仲間内でしか自由な発言が出来なくなるのは当然の流れだと思います。
我々が今までTwitterで出会った面白い投稿や素晴らしい刺激的な投稿はいつの間にか数を減らし、魑魅魍魎達の罵詈雑言、政治発言、鬱憤の掃きだめへと変わっていってしまう。これが今Twitterの中で起こっている実情だと私は思います。
将来的に閉じた場所で面白いことが起こり、Twitterは拡散だけになる。
Twitter側もこの現状は良くないと理解してるのは間違いありません。先日はツイートに返信可能なアカウントを制限するテストをしていることがニュースになっていました。
しかし、これはやはり完全な安全性を担保出来る仕組みとは言えないでしょう。炎上や誹謗中傷は予期しない場所から起こるのが常です。ユーザーに判断の基準が委ねられた機能は必ず意図しない使い方や炎上を生むと思います。
私は今後もTwitterは即効性・即時性の高いメディアとして残り続けると思います。しかし新しい変革や面白いコンテンツはTwitter上ではなく、今後はより閉じたコミュニティから起こってくると私は考えています。
先日のオンラインサロンのポストでも書きましたが、一定の金銭のやり取りを元にコミュニティのユーザーの信用を担保しようという試みは既に始まってます。
OPENなコミュニティの中から面白いものが生まれていくのは本当にワクワクするし応援したくなりますが、閉じたコミュニティの中だけで課程を共有し、OPENな場=Twitterでは成果物・アウトプットだけを展開するというのが近い将来の形に変わっていくのではないでしょうか。
「過程を見たい人はお金を払えば見れますよ」というビジネスモデルが今始まっているんだと思います。Twitterは良くも悪くも大衆化したため、マスの拡散力には優れるようになりましたが、1人1人のユーザーを大切にしコンテンツとして立ち上がっていく過程を大事に出来るメディアでは無くなったのでしょう。あるいはそもそもTwitterはただのツールであり、それはユーザーが勝手に抱いていた幻想だったということですね。
これはTwitterが大衆に広く広まり愛されたメディアとなったことの功罪であり宿命だと私は理解しています。Twitterが一番面白かった時期を知っていて今も面白いポストがたくさんあることを知っている人間としては寂しくもありますが。
我々の愛したTwitterはもういない。でもそれは皆に愛された結果なんだと思います。
皮肉ですが、SNSが人間の集合である以上、我々人間の本質的な側面を映す映し鏡なのです。
まとめ
- Twitterは拡散力に優れるが、個人の交流の場ではなくなったと考えている。
- 日本人のTwitter好きは文化的な親和性から発生したのではないか。
- 初めからマスだったわけじゃない。徐々に受け入れられ文化になった。
- 大衆化によって刺激的なメディアから退屈な愚痴吐き場になってしまった。
- Twitter側も対策は講じているが、きっと今後もこの傾向は変わらない。
- 今後もTwitterは拡散性・即効性の価値として残り続ける。
>しかしコンテンツの過程の共有やユーザー同士の濃密なコミュニティは今後は閉じた空間へシフトするのではないか。
twitter、すげー好きだったんですけね。本名や顔出しまでしてたアカウント持ってたんですが、全部消しました。冷静に考えてリスクが大きすぎます😞
最近自殺した方がニュースになってましたが、皆様がTwitterに良くも悪くも毒されませんよう。Twitterが悪いのではありません。結局、ツールを使う側の我々人間が感情に振り回されるアンポンタンなだけなのです。
歴史上初めて知恵を持った生き物として、前頭前野を使って賢く生きていきましょう。