ゆとぶろ

IT業界在住ダラリーマンの日々徒然

ゲームの難易度はどこが最適なのか?

はじめに

今、ブラウザゲームの雄、「艦これ」こと「艦隊これくしょん」が夏イベントをやっている。艦これをやっているユーザーのことをユーザー間では提督と呼ぶが、私も何を隠そう元提督である。

 

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「元」ということは今はやっていないわけだが、艦これ自体が嫌いになったわけではない。むしろも今でも気になってイベント時はユーザーの生放送を覗いたりする程度には今でも好きだ。

 

だが、回の夏イベントで40時間以上徹夜で最高難易度に挑戦して未だにクリア出来ていないユーザーの放送を見ているとゲームの難易度って何だろうという疑問を抱かざるを得ない。

 

艦これの難易度問題

 

艦これのイベント、特に夏イベントはユーザーの間でも特別な存在でその年で一番大規模かつ高難易度のイベントとして知られている。

イベント開始時には難易度を自分で選択することが出来る。甲・乙・丙の3段階で選択でき、現在はさらに甲・乙・丙に加えて丁という更に下の、初心者向けの難易度も設定された。

 

丁や丙の場合、敵が弱くなるだけではなく札と呼ばれている出撃制限も緩和されるが、その代わり報酬も少なくなる。翻って、中間難易度の乙でも十分難しく、最高難易度である甲になるともはや理不尽ともいえるような難易度となる。

しかし、甲難易度をクリアすると甲種勲章という称号を入手することが出来る。この勲章の数はユーザー情報にも表示されるため、ベテラン提督たちはこの甲種勲章をイベント毎に入手することに心血を注ぐのだ。

 

かく言う私も当時は甲種勲章を取り続けていた提督の一人だったが、2015年の夏イベントを最後に心を折られて引退することとなった。原因は以下。提督間では有名な話だが知らない人はまとめられているものを読んでもらった方が早い。

 

dic.pixiv.net

しかし防空棲姫の装甲333という値は夜戦における火力キャップ(それ以上のダメージが大きく制限される値)である300を超えており、普通に倒すことは極めて運が良くない限り不可能であるはずだった。

 

「同海域の道中にいる敵艦隊と輸送ワ級を何度か撃破する事により、(装甲はそのままだが)与ダメージが増加する」と言う仕様が発覚

 

ただこの効果は、上記ツイートにあるように深夜零時になると元に戻ってしまうかつての悪夢とは異なり戦力ゲージの回復こそないものの、この特性を利用しなければまずトドメをさせない。上記のように倒してしまった提督もいたが、例外中の例外。これを海域実装数時間で成し遂げた7人の提督は運営側からビッグセブンと称えられた。したがって、彼女の撃破には1日丸々余裕を持った攻略や、ゲージ削りと止めを別の日にするといった工夫が必要。

 

加えて彼女が登場する最終海域『FS方面海域』(E-7)は、この仕様に加え荒ぶる羅針盤など鉄底海峡(E-4)を彷彿とさせる理不尽要素を持つ鬼畜海域(※)となっており、
案の定夜更かし出来ない提督や、まとまった時間が取れない社会人提督にきついトラウマを生み出すことになった。

撃破した時は、準備も含めて夜の21:00頃から開始して、次の日の13:00まで16時間かかったことを今でも鮮明に覚えています。あまりのストレスと苦しみからか、楽しさはそこには微塵も残っておらず、「やっと解放された」「もう二度とやりたくない」の2つの感情しか抱くことが出来ませんでした。

 

それから艦これに出てくるキャラクターには愛着があるものの、イベントの不快感を思い出すたびにやる気がなくなり、徐々に離れていったという経緯を辿り今に至ります。

 

もう5年も経ったのに未だに元気にコンテンツが続いていることに嬉しくなる気持ちと同時に、甲難易度がさらに複雑になり凄まじい難易度のまま、あるいはより悪化した状態であることに何とも言えない気持ちになります。

 

最適な高難易度のバランスはどこか

高難易度をクリアしたということはユーザーにとって非常に嬉しいもの。多少の苦しさや理不尽さがあっても、そこを乗り越えて得られた勝利は大変うれしく爽快感があるものです。

 

先ほど例に挙げた艦これは前述のとおり様々な選択肢を用意し、公式からも「無理して挑まないで下さい」とアナウンスをしたり、イベントが進むと救済措置が取られたりと、ユーザー側に配慮した対応をしています。

 

しかしそれでも、ユーザーからすれば最大の難易度がそこに設定されていれば挑みたくなるもの。報酬が設定されていれば欲しくなるもの。

選んだユーザーの責任と言えばその通り。しかし、あまりに過剰な理不尽さが過ぎるとユーザーは静かに離れていく。艦これを見ていてこのバランスって本当に難しいと改めて思います。

 

趣味ですが、今自分でゲーム制作するようになって難易度を考える時やはり僕は艦これを1つの指標として考えると思います。少なくとも私にとっては、艦これのあの時の難易度は苦痛でしかなかった。

 

格ゲーやSTGが高難易度偏重になってユーザー数を激減させたように。

今でも残って愛されているゲーム達が全てちょっと頑張ればクリアできる難易度に収まっているように。

最適な難易度は意外と身近なところに答えがあるのかもしれません。

 

少なくとも私は、数十時間かけても最適解が分からず、延々とクリックした後は祈るしかないゲームはもう二度とやりたくないなと思います。